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カナダの自然を感じたい ~ドッグ マウンテン~

2006年9月20日  永野 晴子 (Haruko Nagano)  

ドッグ マウンテン Dog Mountain
 ~ バンクーバーの市街地を見下ろす展望の頂へ ~

9月12日 太極拳のクラスで知り合ったSさんとは、リーン・バリー・リージョナル・パークやバンゼン・レイクをご一緒するウォーキング仲間である。久しぶりに歩きに行きませんかとお誘いのメールが入り、天気の良い日を見極めて、ノース・バンクーバーのドッグ・マウンテンに出かけた。登山口は、マウント・シーモアMount Seymourに行くときと同じ、マウント・シーモア・スキー場の駐車場だ。

駐車場から西に向かって歩く道は、木の根こそ張っている部分があるが、ほとんどアップダウンもなく、あまり山歩きに慣れていない人を誘うときに、選ぶことが多い。歩きはたいしたことないわりに、たどり着いたドッグ・マウンテンからはバンクーバーの街が見下ろせ、ノース・バンクーバーやウエスト・バンクーバーの山並も素晴らしく、お勧めの場所である。

シーモア山の登り口にあるショッピング・モールで待ち合わせ、Sさんの車に乗せてもらい、マウント・シーモア・スキー場の駐車場に到着した。新しく買ったというデイ・パックを背負ったSさんは嬉しそうだ。午前10時20分駐車場を出発。マウント・シーモアへは北に向かうが、ドッグ・マウンテンへは標識にしたがって左(西)のトレイルに入る。

木の根の張った道を小さく上下していくと、ワタスゲが揺れるファースト・レイクFirst Lakeだ。風がなく、辺りの木々を湖面に映す様子が美しい。小柄で身軽なSさんは、ぴったりと私の後ろについてくる。おしゃべりに夢中になっているうちに、ドッグ・マウンテンに11時30分に到着する。ランチには早いといいながら、お互いに持ってきた果物やチョコレート、サンドイッチなどを出して、パクパクと早めのお昼とする。マニング・パークで起きている山火事の煙のせいか、バンクーバーの街並みの眺めはちょっとすっきりとしない。週日だけに、私たちのほかは、ひとカップルだけがくつろぐ静かな山頂を堪能する。

45分ほど休んだあと、「それでは行きますか」という私の合図に従って、元来た道を戻り出す。すぐに分岐があり、北東に続く道が分かれている。この分岐は以前から知っていたが、歩くことはなかった道だ。「Sさんが構わなければ、この道をちょっと見に行っていいですか?」とお伺いを立てると、OKの返事。その分岐には、「To Suicide Bluffs」の小さなサインが付いてる。オレンジ色の小さなマークが木に付けられていたり、オレンジテープがさがっていたり、それらを頼りに進む。道はよく踏まれている。小さなあまりきれいとはいえない池が現れる。

しばらく行くと、いきなり急な登りとなった。「Sさん大丈夫かしら?こんな激しい登りがあるなんて想像してなかった」と心の中で思ったが、案外、Sさんの足どりは軽い。登り着いたピークは、ドッグ・マウンテンより一段高く、マウント・シーモアの手前にあたるFirst Pump Peakがよく見え、その手前にある岩の頂には、ハイカーたちが座っているのが見える。

水を飲んで、Sさん持参の美味しいトリフ・チョコレートでエネルギーを補給し、足元に注意しながら、先に進む。いったん下ったあと、再び急な登りとなる。短いがなかなか急傾斜の登りだ。Sさんがバランスよく登っているかを確認しながら行く。たどり着いたピークは、先ほどハイカーたちがいた頂だ。ここの眺めはまた最高で、北西のカシードラル・マウンテンCathedral Mountainの雄姿が印象的だ。Sさんは「もう2度と来られないかもしれないから、記念写真を撮って」と言う。ロープのついた急坂は、結構、刺激的だったみたいだ。この岩の小広いピークは、霧でも出ていたら、ちょっと迷いそうな場所だ。岩につけられた赤いペンキマークを頼りに、東に向かって下っていく。この先は崖になっているので注意と書かれたサインが現れると、まもなく、マウント・シーモアへ続く登山道に出る。この道を右(南)にたどれば朝来た駐車場で、午後2時15分に駐車場に帰り着いた。

■■■■■ データ ■■■■■
ドッグ・マウンテン登山口への行き方:市バスはスキー場まで行っていないので、車を利用する。ノース・バンクーバーのマウント・シーモア・パークウェイからマウント・シーモア・ロードに入る。一番上の駐車場まで登る。登山口はマウント・シーモア州立公園内であるため、駐車料金5ドルがかかる。駐車場脇の券売機で購入できる。クレジットカードも使える。
距離と歩行時間: ドッグ・マウンテンへは片道3km。往復6km。標高差ほとんどなし。歩行時間往復約2時間。ドッグ・マウンテンからスーサイド・ブラフスを回る道は片道4km。標高差約150m。歩行時間は片道約2時間。
難易度: ドッグ・マウンテンのみを往復するのは初心者・家族連れ向き。ドッグ・マウンテンからスーサイド・ブラフスSuicide Bluffsを回るトレイルは、指導表もなく、ルートファインディングのできる経験者向きの道。好適期は6月~10月。木の根の道や岩場は雨のあとや残雪時には滑り易いので注意を。
地図:  North Vancouver 92G/6

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記事提供者

名前永野 晴子 (Haruko Nagano)
連絡先 Eメール
プロフィールACMG(カナダ山岳ガイド協会)公認ハイキングガイド。 Mountain Parks Heritage Interpretation Association公認ガイド。
東京世田谷生まれ。成蹊大学文学部文化学科卒業。在学中はワンダーフォーゲル部に籍をおく。卒業後、登山・ハイキング、旅行関係の本を編集するたかね書房に入社。90年退社し、ワーキングホリディ・ビザにてカナダを訪れる。自然の美しさに魅せられ、92年移民となる。
現在ニューウエストミンスター在住。フリーのライターとして旅行ガイドブックの取材執筆をするかたわら、夏はハイキングガイドとしてカナダの山をガイドする。著書に山と溪谷社発行「カナディアンロッキー・ハイキング案内」がある。
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