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カナダの自然を感じたい ~レインボウ・レイク~

2006年9月1日  永野 晴子 (Haruko Nagano)  

ウィスラー・レインボウ・レイク Rainbow Lake 
~ ウィスラーの水源地を訪ねて ~

8月26日 「今年はまだ長丁場のハイキングをやっていない」というハイキング仲間のTさんのリクエストに答えて、8月最後の土・日曜を利用して、1泊でウィスラー周辺の山に登った。

朝8時にノース・バンクーバーを立って、レインボウ・レイク登山口に10時前に到着。駐車場にはすでに10台ほどの車があり、人気のハイキング・トレイルであることが分かる。幅広い登山道は、最初のうち林道と交差したり、林道を歩く部分もあるが、分岐にはサインがついているので、それに従っていく。ほぼ同じ時に出発した家族連れと前後しながら、あまり風が通らない道を登る。Tさんの顔を見ると、汗が滝のように噴き出している。振り返るとグリーン湖やウエッジモント・マウンテンWedgemount Mountainが美しい。やがて、レインボウ・レイクまで5kmの表示のあるゲートに着く。ゲートには、この先はマウンテン・バイク禁止と書かれてある。

ゲートに入ると、まもなく草が生い茂って道幅が狭くなったところを過ぎ、急ではないが確実に登っていく。ところどころ木道が現れ、左手から沢が4回流れこみ、そのたびごとに橋を渡る。3度めに橋を渡ると行く手にレインボウ・マウンテンが望めるメドウ(草原)に出る。草原にはふわふわの綿毛をつけたワタスゲが群生して、「ワー きれい」と歓声を上げる。ワタスゲ咲くメドウを進み、ツウェンティワン・マイル・クリークTwentyone Mile Creekを橋で渡って、湖へ最後の登りとなる。樹林が開け、目の前にブルーの湖が広がる。日を受けて湖面はキラキラ光り、水はとても澄んでいる。一帯はウィスラーの水源地になっているというのがうなずける。湖畔には前着のグループが座っていたが、私たちが「ワー きれい」という歓声を上げたので、全員が振り向く。ちょっと恥ずかしい。

12時40分湖畔到着。湖畔でランチだ。青く澄んだ水を見ていると飛び込みたい。泳ぎたい。という衝動が湧き上がってくる。ガルボルディ・レイクでは泳ぎを体験した私たちだが、さすがに今日は水は冷たく、晴れているが気温はそれほど高くないので、足だけ浸けて満足する。

ランチのあと、さらに西奥にあるハンギング・レイク方面にちょっとだけ登ることにする。レインボウ・レイク湖畔を西に進み、沢を飛び石伝いに渡り、レインボウ・レイクとハンギング・レイクを分ける尾根に登っていく。沢沿いには、リバー・ビューティとも呼ばれるヒメヤナギラン(ファイヤー・ウィード)が群生して、その鮮やかな濃いピンク色の花に目を奪われる。

途中、すれ違ったお兄さんが、「登り切ると、ベリー・プリティーなビューだよ」と言ってくれたので、期待しながら登る。登り切った尾根上には先ほど湖畔にいた同じグループがすでにくつろいでいた。尾根からはタンタラス・レンジの氷河の山々がパノラマになって眺められ、再び「ワー きれい」と歓声を上げた私たちは、再び振り向かれることになった。まあ、いいか。本当にきれいなんだから。もっと大声で叫びたいほどだったが、大人しく、彼の横に座り、しばらくその美しい眺めに浸る。尾根を越えていく風が気持ちよく、ちょっとだけ横になって大地や風を味わう。何にも代え難い喜びの一瞬だ。汗をかいて登ってきた充実感と、ダイナミックな風景に浸り、いつまでも座っていたい。

下山は、元来た道を戻るわけだが、途中の木道は、傾斜している部分もあって、登りのときには気にならなかったが、下りだとつまずきそうになる。雨の日には滑りそうだ。こんなに登ってきたっけっと言いながら歩き、夕方5時過ぎに登山口に戻る。

■■■■■ データ ■■■■■
レインボウ・レイク登山口への行き方: ウエスト・バンクーバーからハイウェイ99を北へ。スコーミッシュを過ぎ、ウィスラー方面へさらに進む。ウィスラーに近づいたら、アルタ・レイク・ロードAlta Lake Roadを左折。約7km 行った左側にレインボウ・トレイルの看板がある。そこに駐車する。
距離と歩行時間: レインボウ・レイクまでは片道8km。往復16km。標高差850m。ハンギング・レイクを見下ろす尾根まではさらに片道700m。往復で1.5kmをプラス。歩行時間約7時間。
難易度: 中級者向き。好適期は7月-10月。その年によるが7月初旬だと、上部は雪で覆われれていることが多い。木道は雨のあとや、残雪時には滑り易いのでくれぐれも注意を。

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記事提供者

名前永野 晴子 (Haruko Nagano)
連絡先 Eメール
プロフィールACMG(カナダ山岳ガイド協会)公認ハイキングガイド。 Mountain Parks Heritage Interpretation Association公認ガイド。
東京世田谷生まれ。成蹊大学文学部文化学科卒業。在学中はワンダーフォーゲル部に籍をおく。卒業後、登山・ハイキング、旅行関係の本を編集するたかね書房に入社。90年退社し、ワーキングホリディ・ビザにてカナダを訪れる。自然の美しさに魅せられ、92年移民となる。
現在ニューウエストミンスター在住。フリーのライターとして旅行ガイドブックの取材執筆をするかたわら、夏はハイキングガイドとしてカナダの山をガイドする。著書に山と溪谷社発行「カナディアンロッキー・ハイキング案内」がある。
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