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カナダの自然を感じたい ~ライオンズ・トレイル~

2006年8月25日  永野 晴子 (Haruko Nagano)  

ライオンズ トレイル The Lions Trail (ビンカート・トレイル BinkertTrail)
 ~ 激しい登りのあとにたどりつく海を見下ろす絶景の頂 ~

8月18日 若くてかわいいA子ちゃんから久しぶりにハイキングに行きたいと連絡がある。バンクーバー・マラソンにも挑戦し完走したスポーツ・ウーマンの彼女を連れて行くなら、やっぱり激しい登りのライオンズ・トレイルと決め出発。 ライオンズは、ウエスト・バンクーバーの山並みの一角に、ライオンの耳のように突起したふたつの頂のことだ。言われてみれば、なるほどとライオンズの名前が納得できる。

ライオンズ自体は岩の突起で、ロープなしで登るのは危険なため、その下部を目指すハイキングだ。登山口は、ウエスト・バンクーバーから北へ少し行ったライオンズ・ベイの住宅街を奥に入った車道終点。ここから標高差約1300mをいっきに登っていく。

最初は、単調な林道歩きの登り。途中の分岐には、親切に石を並べて矢印が出来ていて、ライオンズ方面の道が分かる。やがて、ハービー・クリークが近づき、サインに従って、頑丈そうな橋でハービー・クリークを渡る。A子ちゃん持参のフルーツをいただき、喉を潤す。ここから本格的な急坂の登りとなる。巨木の多い森の中を足を引き上げ必死に登る。途中のわずかな空き地からは、ハウ・サウンドの海が広がり、ほっとひといきつける。この辺りの森は、昔苦労して登った日本の南アルプスを思い起こさせるものがある。さらに、急な登りを続け、やがて尾根上に登りつくと、行く手上部にライオンズの岩峰がそそり立ち、威圧している。ここで小休憩。おにぎりを食べて力をつける。やっぱりご飯はパワーアップできる。

岩の中に付けられたサインをたどりながら、沢が流れ、花が咲くロックガーデンのような場所を登っていく。右手には海が広がり、素晴らしい眺めだ。サイプレス・マウンテンから続く稜線に登り切る部分は、一段と傾斜が増し、稜線に登りつくと、バンクーバーのダウンタウンの景色が広がり、素晴らしい。ここから、ライオンズの基部までは、岩をつかみ、スリップしたりしないように進む。運動神経抜群の明子ちゃんのことだから、問題なく付いてくる。ちょっとスリルがある。岩の小さなピークを越えると、ライオンズの岩峰の目の前に出られる。

足元はスッパリと切れているので、安心して座れる場所を探して、大休憩だ。海の広がり、ずっと続く山並み、渡る風が爽やかだ。記念写真をお互いに撮り合い、下りは登り以上に注意して元来た道を降りる。

林道に出てから、沢が滝のように流れている場所があり、そこで顔を洗い、足を浸した。この一瞬がたまらない。A子ちゃんも満足そうに微笑んでいた。

■■■■■ データ ■■■■■
ライオンズ・トレイル登山口への行き方:ウエスト・バンクーバーからハイウェイ99を北へスコーミッシュ方面に進み、ライオンズ・ベイの標識に従い、ハイウェイを降り、オーシャンビュー・ロードOceanview Roadに入る。クロス・クリーク・ロードCross Creek Roadを左折して、センター・ロードCentre Roadを右折。さらにベイビュー・ロードBayview Roadを左折、1キロほど行ったマウンテン・ドライブMountain Driveを左折、すぐにサンセット・ドライブSunset Driveを左折すると、ゲートがある。この車道脇に駐車して歩き出す。週末は駐車スペースがないほど混むこともある。
距離と歩行時間: 片道8キロ。往復16キロ。標高差1300m。歩行時間約7時間。
難易度: 健脚・経験者向き。登山道は急坂が続き、トレイル上部では岩をつかんで歩く部分もあるので、高所恐怖症の人には向いていない。好適期は7月~10月。その年によるが7月初旬だと、上部は雪で覆われれていることが多い。秋も雪が降り積もったあとには、滑り易いのでくれぐれも注意を。

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記事提供者

名前永野 晴子 (Haruko Nagano)
連絡先 Eメール
プロフィールACMG(カナダ山岳ガイド協会)公認ハイキングガイド。 Mountain Parks Heritage Interpretation Association公認ガイド。
東京世田谷生まれ。成蹊大学文学部文化学科卒業。在学中はワンダーフォーゲル部に籍をおく。卒業後、登山・ハイキング、旅行関係の本を編集するたかね書房に入社。90年退社し、ワーキングホリディ・ビザにてカナダを訪れる。自然の美しさに魅せられ、92年移民となる。
現在ニューウエストミンスター在住。フリーのライターとして旅行ガイドブックの取材執筆をするかたわら、夏はハイキングガイドとしてカナダの山をガイドする。著書に山と溪谷社発行「カナディアンロッキー・ハイキング案内」がある。
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