「留学顕微鏡」 第二十回 本物留学生プレパラート
2008年9月9日 ロバート・ミックミラン (Robert McMillan)
日本の大学生にカナダでたびたび出会いました。外国語大学生で英語を専攻中なのに英語圏の作家の名前をほとんど知らない学生たちに。びっくりしました。
その学生たちは一応カナダに留学中でしたが、大学の正式コースではなく、大学のコースを取る準備としてのESL(外国人のための英語)にいました。カナダの大学に入るためには必須のコースですが、ESLを卒業しても何の資格にもならないコースです。何をしに来ているんだろうと不思議に思いました。
カナダの正式な大学卒業資格を取った留学生は、帰国しすぐに仕事をみつけて行きます。日本の会社も「正式な学士号」と「単なるESL 終了」との違いはよく認識しているようです。最近帰国した私の生徒はUBCからCommerceの学位を持って帰りました。商業取引の専門家です。帰国後すぐに外資系の会社で仕事につきました。しかし日本の会社には面接でこんなことを言われたそうです。「君は自己主張が強いね。」(日本の会社は自己主張の出来ないセールス担当社員を必要としているようですね。なぜ日本の総理大臣が一年も持たずにばたばた退場するのかが、やっとわかった気になりました。)
さて、悪いニュースです。BBCニュースが留学生の質の問題を取り上げていました。イギリスの大学が留学生に与える博士号の質に問題ありだという声です。「基本的な言語能力の欠如」が原因だとか。能力が基準に達していない留学生でも、イギリスの大学から入学を拒否されることは稀だそうです。留学生の授業料が大学にとっての大切な収入だからです。しかし、もしイギリスで博士号を取った学生が日本に帰国し、就職し、英語を使えないとなったらどうなるでしょう。イギリスの大学の質に対する信頼が地に落ちてしまいます。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/education/7358528.stm
イギリスの問題をきっかけとして、他の英語圏の留学生にも懐疑の目が向いています。結局、留学生とは何をする人なのでしょうか。もちろん、勉強のはずです。能力、技術を身につけるために外国で勉強している人のはずです。短く言うと、質のいい学生たちのことです。どこの国でも会社が必要としているのは成功に導ける能力を持った人材です。するどい洞察力を持った会社なら、ESLコースを終了して帰国した学生か、学士号を取って帰国した学生かの区別が出来るはずです。そんな区別も出来ないようでは、自己主張の出来ない総理大臣のいる国のような惨めな末路になると思いますから。
能力のある本物留学生の皆さん。自分の能力に自信を持ちカナダで面白い勉強をして下さい。その能力を生かせる未来が待っていますから。
関連記事:
- 在日カナダ商工会議所(CCCJ)の概要
- RSSフィードの取得
- RESP(教育費積立プラン)
- 路上駐車と罰金の支払い
- RITS-UBC便り 第4回 『Rits 13 Parents News Letterの編集に携わって・・・』
記事提供者
| 名前 | ロバート・ミックミラン (Robert McMillan) |
|---|---|
| 連絡先 | |
| プロフィール | カナダ出身。愛媛在住20年。 論理的思考を教えることに重点をおいた英語教育に従事。ロバートの手にかかった日本人は圧倒的なWriting能力持ち、日本内外で活躍中。また母国カナダに留学する日本人のサポートに長年従事。 2004年2月、留学のバイブルと絶賛されて「留学せん事」出版。2006年6月には日本語で書いた小説「ラユーのメニュー」出版。 |
コメントする